群青日和

 

人の悲しみが冬に雨を齎すのだと私は言い

そしてそれが人の吐息で燃えることを私は望む

 

 

冷たいような青い雨に

青い炎を重ねて

ああ!燃えているわ!この冷たい都市が!!

 

「夢を見るのはタダだね」

「そんなことないわ。夢を見るには代償がいる」

「例えば?」

「あなたとの距離とか」

「周りの白い視線とか」

「ずぶぬれに濡れる身体とか」

 

銀色の傘を差し伸べてあなたは言う

 

「寒くない?」

「熱い。わたしは燃えているから」

 

青い青い雨を吸って。服も髪もずぶぬれ。

でも、わたしの目には水滴の代わりに青い火の粉が映り。

 

「熱い、熱い、燃えてしまう」

「震えるその身体は?」

「夢をみる代償」

 

「君は演技をするのが下手」

 

傘は手を離れ、青い青い炎の燃え盛る大地に

 

「熱くない。冷たいだけ。凍えるように、ただ、ただ」

「冷たくない。熱いだけ。燃えるように、ただ、ただ」

 

手を掴まれる

 

 

夢をみる代償。震える身体。

夢から覚める鍵。あなたの抱擁。

 

 

熱くない

冷たくない

 

 

 

 

―――――――暖かい。